滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。予防・痛くなる前の治療・歯周病の治療に力を入れています。
今回は、患者さまからよくご質問をいただく
「起床直後に歯を磨くのと、朝食後に歯を磨くのと、どっちが良いの?」というテーマについて、わかりやすくご説明します。
ちなみに、私太田貴司は「起床直後に歯を磨く」派です。
もう10年くらい続けているでしょうか。
【目次】
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朝の歯みがき、なぜ大切?
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起床直後に磨くメリットとは?
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朝食後に磨くメリットとは?
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どちらが良いのか?太田貴司のおすすめ
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大切なのは「タイミング」だけではない
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歯科医院での定期検診の重要性
1. 朝の歯みがき、なぜ大切?
寝ている間、お口の中は乾燥してしまいます。そのため、細菌が増えやすい環境になります。朝起きたとき、「お口の中がネバネバする」「口臭が気になる」と感じたことはありませんか?
これは、寝ている間に細菌が増えている証拠です。だからこそ、朝の歯みがきはとても大切なんです。
2. 起床直後に磨くメリットとは?
起きてすぐに歯を磨くと、一晩で増えた細菌を取り除くことができます。これにより、口臭を防いだり、朝食時に細菌を体内に取りこまないようにすることができます。
また、朝の口臭が気になる方には、起床直後の歯みがきが特におすすめです。口臭の原因の多くは、むし歯や歯周病(ししゅうびょう:歯ぐきの病気)による細菌の増加です。
起きてすぐに磨けば、細菌を減らすことができます。
3. 朝食後に磨くメリットとは?
一方で、「食べたあとは、食べかすが歯に残るから、そのあとに磨いたほうがいい」と思う患者さまも多いです。
確かに、朝食のあとに磨くことで、むし歯の原因になる食べかすや糖分をきれいに取り除くことができます。
また、朝ごはんを食べたあとに歯を磨くと、お口の中がスッキリして、1日のスタートが気持ちよくなりますよね。
4. どちらが良いのか?太田貴司のおすすめ
①「起床直後」と「朝食後」、どちらにもメリットがあります。
ベストなのは、起床後すぐに歯を磨いて口の中の細菌を減らし、その後、朝食をとったあとにもう一度ていねいに磨くという方法です。
ただし、現実的に朝は忙しくて「2回磨くのは難しい!」という方も多いでしょう。その場合は、次のように考えてください。
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口臭が気になる方、むし歯ができやすい方 → 起床直後に磨くのがおすすめ
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食べかすをしっかり取りたい方、歯の表面をきれいにしたい方 → 朝食後に磨くのがおすすめ
②重大事実!!
ある考え方で「起床後に歯を磨かなくても、お口の細菌は胃酸で溶ける。だから大丈夫」という考えがあります。
しかし、この意見に太田貴司は異を唱えます。
それは、「歯周病の悪玉菌であるPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)は、胃酸で溶かされずに残る」ということです。
Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)は、全身の病気にも関わります。心臓病や脳卒中、アルツハイマー病、関節リウマチが代表的な病気です。
口腔内にいるPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)が、血管を通じて全身に回ってしまうのです。
ですので、太田貴司個人的にはどちらかというと「起床後に歯を磨く」方が良いと考えます。
5. 大切なのは「タイミング」だけではない
いつ磨くか以上と同じくらい大切なのが、「どうやって磨くか」です。
朝、数秒でサッと済ませるよりも、時間をかけて、ていねいに、正しい方法で磨くことがむし歯や歯周病の予防につながります。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのもおすすめです。
さらに、歯の磨き方や歯ぐきの状態、咬み合わせのクセなどは人それぞれ違います。自己流で磨いていると、磨き残しができてしまい、むし歯や歯周病を引き起こす原因になります。
6. 歯科医院での定期検診の重要性
患者さまにとって、毎日の歯みがきはとても大切ですが、それだけでは完全にお口の中をきれいに保つことはできません。
歯と歯の間や、歯ぐきの奥にたまった歯石は、歯科医院でないと取り除けません。
また、初期のむし歯や歯周病は、自覚症状がほとんどないため、自分では気づけないことが多いです。
そのため、定期的な歯科検診を受けることがとても大切です。
早めに異常を見つけることで、大がかりな治療を避けることができます。
まとめ
起床直後と朝食後、どちらの歯みがきにもメリットがあります。
大切なのは、自分に合ったタイミングで、正しい方法でていねいに磨くことです。
個人的には、「起床後に歯を磨く」がおすすめです。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo