歯石(しせき)は、歯周病の原因です。
全身で言うと、腎臓結石、胆嚢結石・膀胱結石・尿管結石があります。
固まって石のように付着します。
歯周病は、細菌の塊である歯垢(しこう)と、歯垢が唾液などで石のように固まった歯石から発症します。
歯周病は、喫煙や高血圧、糖尿病、内服薬の副作用とも関連します。
炭水化物、砂糖が過剰でも歯周病になりやすいです。
それでも、歯周病の大元は歯垢と歯石です。
歯垢は日常の歯ブラシで除去できます。
歯石になると、歯ブラシでは除去できません。
さらに歯石も歯垢と同じで、数か月でまた付いてしまうので、定期的な除去が必要です。
歯石には2種類あります。
歯肉縁上(しにくえんじょう)歯石と歯肉縁下(しにくえんか)歯石です。
歯ぐきのきわ(歯肉縁)より上にあるのか、下にあるのか、です。
①歯肉縁上歯石
歯ぐきより上につく歯石。
ご自身でも見つけられる。
白っぽく、軟らかい。
除去しやすい。
歯周病原因にはなるが、そこまで悪さはしない。
②歯肉縁下歯石
歯ぐきより下に付く歯石。
ご自身では見ることができない。
レントゲンで初めて分かることがある。
黒く、硬い。
除去しにくい。
放置すればするほど、歯ぐきの下に付くため、麻酔が必要な場合がある。
根の先まで歯肉縁下歯石が付くと、除去できない。
除去できなければ、菌が停滞して抜歯に至ることもある。
歯周病の大きな原因になる。
どちらが悪さをするのか大体お分かりだと思います。
「歯石を取る」と言っても、人それぞれです。
部分的に歯肉縁上歯石しか付いていない人もいらっしゃいます。
その方は1回で終わるかもしれません。
全体的に歯肉縁下歯石が大量に付いている人もいらっしゃいます。
その方は、麻酔をして、何回もかかります。
むし歯の治療より長期になります。
取り切れない部分もあるかもしれません。
基本は、毎日の歯ブラシと、歯石も初期のうちで除去することです。
歯石が付くペースは、個人で違います。
1・2か月でつく人もいれば、1年でやっと少し付くひともいます。
唾液の質にもよるため、「歯磨きができている/できていない」とはあまり関係ありません。
付く人はどうしても付いてしまうのです。
それをご自身で判断するのは、困難です。
歯肉縁下歯石は、ご自身では見えないからです。
専門家やレントゲンで分かることもあるので、油断はできません。
むし歯と同じで、早期に見つけ、すぐに除去するのが良いでしょう。
むし歯のように、早期発見・長期経過観察はオススメしません。
2017年10月11日