滋賀県守山市古高町にある歯医者、おおた歯科こども歯科の院長 歯科医師の太田貴司です。
予防・痛くなる前の治療に力を入れています。
今回は、「歯周病になりやすい人」についてお話します。
歯周病は30歳前後に発症する病気で、歯を失う原因の中でも最も多いです。
歯周病の原因は、主にプラーク(磨き残しとばい菌のかたまり)です。
しかし、他にも多くの危険な要因(リスクファクター)があることをご存知でしょうか?
- 歯周病になりやすい人の要因とは?
歯周病とは、プラーク(磨き残しとばい菌のかたまり)より生じる病気で、歯ぐきが腫れて出血したり、最終的には歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまいます。
初期段階ではほとんど自覚症状がありません。
気づかないうちに症状が進行することが少なくないことから、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれています。
歯周病を進行させる要因には2種類あります。
お口の中:歯並び、噛み合わせのあっていない被せ物、歯ぎしりなどによる強い咬合力などのお口の中の環境によるするもの。
全身:糖尿病などの全身疾患、ストレスや喫煙、食生活などの生活習慣など全身の状況によるものがあります。
歯周病を予防したり症状を改善するには、これらの危険な要因を減らすことがとても大切です。
- お口の中に関係するもの
歯周病の要因のうち、お口の中の環境に関係するものには次のようなものがあります。
・歯並び
歯並びがよくないと歯磨きが行き届かない箇所が出てきて、歯周病の原因であるプラークを除去しにくくなります。
・噛み合わせのあっていない詰め物や被せ物
詰め物や被せ物も、噛み合わせがあっていないと歯にかかる負担が大きくなり、歯周病を進行させる原因となってしまいます。
・歯ぎしりや食いしばりなどによる強い力
歯ぎしりや食いしばりを日常的に行っていると、歯に強い力がかかることによって歯を支えている骨や歯ぐきに負担がかかります。
- 全身
・糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つともいわれているほどに深い関係性があります。
特に、血中のヘモグロビンA1cの数値が7%を越えると、歯周病の進行が早くなるという報告もあります。
その一方で、糖尿病を管理する中で歯周病を治療すると、血糖値に改善がみられるケースもあります。
・心臓の病気
歯周病の原因となる細菌は、歯ぐきの血管から全身の血管に入り込んで心臓に到達します。
これにより心臓に炎症が起こり、その炎症が動脈硬化を生じることで狭心症や心筋梗塞といった病気の原因となる可能性があります。
このほかにも、細菌が血管を通って全身に行き渡ることで様々な影響を与えます。
・喫煙
煙草に含まれるニコチンは歯にプラークをつきやすくするだけでなく、血管を縮ませる作用を持つなど全身に様々な影響を与えます。
ある統計によると、1日10本以上喫煙する人は歯周病に罹患する危険が5.4倍に、10年以上喫煙を続けている人で4.3倍にまで上昇します。
た歯周病に罹患した場合には重症化するのも早いといわれています。
上記に挙げたもの以外にも、呼吸器疾患や脳血管疾患、ストレスやホルモンバランスの乱れなども歯周病の危険要因として考えられています。
今回は、歯周病の危険要因についてお話させていただきました。
少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。
おおた歯科こども歯科 院長 太田貴司
(自己紹介)https://ohta-dent.com/staff.html#intyo
2023年6月1日